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今日から始める歯並びケア習慣術
美しい歯並びは生まれ持ったものだけが全てではなく、日々の生活習慣も少なからず影響を与えることがあります。もちろん、骨格的な問題や遺伝的要因が大きく関わる場合もありますが、後天的な習慣によって歯並びが悪化するのを防いだり、逆に良い状態を維持したりするためにできることは意外と多いのです。まず基本中の基本であり、最も重要なのが正しい歯磨きです。歯並びに関わらず口腔内の健康を保つためにはプラークコントロールが不可欠ですが、特に歯が重なり合っている部分や磨きにくい箇所がある場合は、より一層丁寧なブラッシングが求められます。フッ素入りの歯磨き粉を使用し、歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシを併用して、歯と歯の間や歯周ポケットに潜むプラークを徹底的に除去しましょう。次に食生活ですが、現代人は柔らかい食べ物を好む傾向があり、顎の発育が不十分になることが歯並びの乱れの一因とも言われています。適度に歯ごたえのあるものをよく噛んで食べることは、顎の骨や筋肉を鍛え、歯が正しい位置に並ぶためのスペースを確保する助けになります。ただし、極端に硬いものを無理に噛むのは歯を痛める可能性もあるので注意が必要です。また、糖分の過剰な摂取は虫歯のリスクを高め、結果的に歯を失うことで歯並びが悪化する遠因にもなり得るので、バランスの取れた食事が大切です。意外と見落としがちなのが、舌の正しい位置です。安静時、舌の先は上の前歯の少し後ろの歯茎に軽く触れ、舌全体が上顎に吸い付いているような状態が理想的です。舌が常に低い位置にあったり、前歯を押すような癖があると、出っ歯や開咬(前歯が噛み合わない状態)を引き起こす可能性があります。意識して正しい舌の位置を保つように心がけましょう。これに関連して、口呼吸も歯並びに悪影響を与える習慣の一つです。鼻呼吸が基本であり、口呼吸が常態化すると、口周りの筋肉のバランスが崩れ、歯列の幅が狭くなったり、前歯が突出しやすくなったりします。アレルギー性鼻炎などで鼻呼吸がしにくい場合は、耳鼻咽喉科の受診も検討しましょう。さらに、頬杖をつく癖、うつ伏せで寝る癖、指しゃぶりなども、特定の方向に持続的な力が加わることで歯並びを歪ませる原因となり得ます。これらの無意識の癖に気づき、改善していく努力も重要です。そして、何よりも大切なのが定期的な歯科検診です。