歯列矯正の装置には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。中でもメタルブラケットは最も歴史が古く、長年にわたり矯正治療のスタンダードとして用いられてきました。しかし、近年ではセラミックブラケットやプラスチックブラケットといった目立ちにくい審美ブラケットや、取り外し可能なマウスピース型矯正装置なども登場し、選択肢が多様化しています。「メタルブラケットは古いのでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、その実績と信頼性から今なお多くの症例で選ばれています。ここでは、メタルブラケットと他の代表的な矯正装置との違いを比較してみましょう。まず、審美ブラケット(セラミックブラケットやプラスチックブラケット)との比較です。これらのブラケットは歯の色に近い白色や透明色をしているため、メタルブラケットに比べて格段に目立ちにくいという大きなメリットがあります。特に接客業の方や、装置の見た目を気にされる方には人気です。しかし、一般的にメタルブラケットよりも費用が高くなる傾向があります。また、素材の特性上、メタルブラケットに比べて強度がやや劣る場合があり、強い力がかかると破損するリスクがわずかに高まることや、摩擦抵抗が大きいために歯の動きがメタルブラケットより少し遅くなることがあるとも言われています。ただし、技術の進歩により、これらの差は小さくなってきています。次に、マウスピース型矯正装置(インビザラインなど)との比較です。これは透明なマウスピースを段階的に交換していくことで歯を動かす治療法で、最大のメリットは装置がほとんど目立たないことと、食事や歯磨きの際に自分で取り外せることです。これにより、食事制限が少なく、清掃性も非常に高いという利点があります。しかし、適応できる症例が限られる場合があり、特に抜歯が必要な複雑なケースや、歯の大きな移動が必要な場合には、メタルブラケットの方が適していることがあります。また、1日に20時間以上の装着が必要であり、患者さん自身の自己管理能力が治療結果を大きく左右します。費用はメタルブラケットよりも高額になるのが一般的です。メタルブラケットの強みは、何と言ってもその矯正力と適応範囲の広さ、そしてコストパフォーマンスです。金属製で丈夫なため、効率よく歯に力を伝えることができ、細やかな調整も可能です。
メタルブラケット矯正は古い?最新装置との違いを徹底比較