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矯正最終段階のゴムかけいつからいつまで?種類と装着時間の目安
歯列矯正治療の最終段階で用いられる「ゴムかけ」ですが、「一体いつから始まって、いつまで続ければいいの?」と疑問に思う方も多いでしょう。ゴムかけを開始するタイミングや期間、そして使用するゴムの種類や装着時間は、患者さん一人ひとりの歯並びの状態や治療計画によって異なります。一般的に、ゴムかけが本格的に始まるのは、歯列全体の大きな移動がある程度完了し、歯がほぼ目標の位置に並んだ治療の終盤、いわゆる「仕上げの段階」に入ってからです。歯科医師が、全体の噛み合わせをチェックし、さらに精密な調整が必要と判断した場合に、ゴムかけの指示が出されます。期間については、これも個人差が大きいですが、数ヶ月から半年程度、場合によってはそれ以上かかることもあります。治療の最終的な微調整を行うため、根気強く続けることが求められます。使用するゴムの種類も様々です。ゴムの太さ(直径)、厚み、そして力の強さ(オンスで表示されることが多い)によって、歯にかかる力が異なります。歯科医師は、動かしたい歯や目的、そして患者さんの口腔内の状態に合わせて、最適な種類のゴムを選択します。また、ゴムを掛ける位置も、治療の目的によって多岐にわたります。例えば、上下の歯を垂直に噛み合わせるための「垂直ゴム」、前歯の隙間を閉じるための「クロスゴム」、奥歯の前後関係を調整するための「II級ゴム」や「III級ゴム」など、様々な掛け方があります。装着時間については、多くの場合、「食事と歯磨きの時以外は、1日20時間以上(できれば22時間以上)」という指示が出されます。つまり、就寝中も含めて、ほぼ1日中装着し続ける必要があるということです。装着時間が短いと、計画通りに歯が動かず、治療期間が延長したり、期待した効果が得られなかったりする可能性があります。ゴムは1日に1回、あるいは歯科医師の指示に従って新しいものに交換します。古いゴムは弾性が失われ、効果が薄れてしまうためです。ゴムかけは、患者さん自身の協力なくしては成り立たない治療法です。面倒に感じることもあるかもしれませんが、歯科医師の指示をしっかりと守り、真面目に取り組むことが、美しい歯並びと理想的な噛み合わせを手に入れるための近道となるのです。