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痛い?いつまで?歯列矯正のバネ装着中のリアルと乗り越え方
歯列矯正の治療過程で「バネ」を装着することになった時、多くの人が「痛いのかな?」「いつまでつけるの?」といった不安を感じるものです。この小さな装置がもたらすリアルな感覚と、その期間を快適に乗り切るためのコツを知っておけば、心の準備ができ、安心して治療に臨むことができます。まず、痛みについてです。矯正用のバネは、歯に持続的な力を加えて動かすための装置なので、装着後には他の矯正装置と同様の「矯正痛」が生じます。特に、装着してから2〜3日間が痛みのピークで、歯が浮くような、あるいは締め付けられるような鈍い痛みを感じることが多いです。これは、バネの力によって歯が動き始めている証拠。痛みが辛い時は、我慢せずにクリニックで処方された痛み止めを服用しましょう。この痛みは、ほとんどの場合、一週間もすれば体が慣れてきて、次第に和らいでいきます。次に、日常生活での注意点です。バネ、特にオープンコイルは、食べ物が非常に絡まりやすい構造をしています。食事の後は、歯間ブラシやタフトブラシを使って、バネの周りを念入りに清掃する習慣をつけましょう。また、バネの端が頬や唇の粘膜に当たって、口内炎ができてしまうことも少なくありません。そんな時の救世主が「矯正用ワックス」です。この粘土のようなワックスを小さく丸めて、当たる部分のバネやブラケットに貼り付けることで、粘膜を保護し、痛みを大きく和らげることができます。では、このバネはいつまで装着し続けるのでしょうか。これは、治療計画によって大きく異なり、一概には言えません。スペースを作るためのオープンコイルであれば、必要なスペースが確保されるまでの数ヶ月間。抜歯の隙間を閉じるためのクローズドコイルであれば、隙間が完全に閉じるまでの一年近くに及ぶこともあります。担当の先生に、自分の場合はどのくらいの期間を予定しているのか、事前に確認しておくと良いでしょう。バネとの付き合いは、矯正治療の中の一時的な期間です。その役割を理解し、適切なセルフケアを行うことで、痛みや不快感を最小限に抑え、ゴールへの道のりを着実に進んでいくことができるのです。