目立ちにくい白いワイヤー矯正を選択した場合、その美しい白さをできるだけ長く保ち、快適に治療を進めるためには、日々の食事内容と食後のケアに少し気をつける必要があります。特に、金属ワイヤーに白いコーティングを施したタイプのワイヤーは、飲食物の色素が付着しやすかったり、特定の食べ物によってコーティングがダメージを受けたりする可能性があるためです。まず、変色の原因となりやすい「色の濃い飲食物」には注意が必要です。代表的なものとしては、カレーライス、ミートソース、ケチャップ、醤油、ソース、コーヒー、紅茶、赤ワイン、ブドウジュースなどが挙げられます。これらの飲食物に含まれる色素が、白いワイヤーのコーティング材の表面や、微細な傷に沈着し、徐々に黄ばみや変色を引き起こすことがあります。これらの飲食物を完全に避けるのは難しいかもしれませんが、摂取する頻度を減らしたり、食べた後はできるだけ早く歯磨きやうがいをする習慣をつけることで、色素の沈着を最小限に抑えることができます。特に、カレーは着色力が非常に強いため、ワイヤー交換の直前など、タイミングを考慮して食べるのが賢明かもしれません。次に、「硬い食べ物」や「粘着性の高い食べ物」も、白いワイヤーにとっては大敵です。おせんべいやナッツ類、氷などをガリガリと噛むと、ワイヤーのコーティングが剥がれたり、欠けたりする原因になります。また、お餅やキャラメル、ガムなどの粘着性の高い食べ物は、ワイヤーやブラケットに絡みつきやすく、無理に取ろうとすると装置を破損させたり、コーティングを傷つけたりする可能性があります。これらの食べ物は、できるだけ避けるか、食べる際には小さく切って、ゆっくりと慎重に噛むようにしましょう。食事中のケアとしては、まず「よく噛んで食べる」ことが意外と重要です。よく噛むことで唾液の分泌が促され、唾液の自浄作用によって食べかすや色素が洗い流されやすくなります。そして、食後はできるだけ速やかに歯磨きを行うことが鉄則です。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやタフトブラシ、デンタルフロスなどを使い、ワイヤーの周りやブラケットの隙間など、細かい部分に付着した食べかすや色素を丁寧に除去しましょう。もし、すぐに歯磨きができない場合は、水で口をよくすすぐだけでも、ある程度の効果は期待できます。