「歯列矯正、特に下の歯は骨が硬いから痛いって本当?」そんな噂を聞いて、治療に二の足を踏んでいる方はいませんか。下の歯の矯正に伴う痛みや、装置の選択肢について、リアルな感覚と共に解説します。まず、痛みについてです。矯正治療の痛みは、歯が動く際に歯の根の周りの組織が炎症を起こすことで生じます。確かに、下顎の骨は上顎に比べて皮質骨という硬い骨の割合が多く、緻密であるため、「下の歯の方が痛みが強い」と感じる方も一部にはいらっしゃいます。しかし、痛みの感じ方には非常に大きな個人差があり、一概に「下の歯だから特別痛い」とは言えません。痛みのピークは、装置をつけたり、ワイヤーを調整したりした後の2〜3日間。この期間を乗り越えれば、痛みは嘘のように和らいでいきます。痛み止めを適切に使うことや、柔らかい食事を心がけることで、十分にコントロール可能です。次に、装置の選択肢です。下の歯の矯正でも、上の歯と同様に、様々な装置を選ぶことができます。最も一般的なのは「表側ワイヤー矯正」。費用を抑えられ、幅広い症例に対応できる確実な方法ですが、笑った時に下の装置が見えるのが気になるという方もいます。その見た目の問題を解消するのが「マウスピース矯正」です。透明な装置なので目立たず、取り外しも可能で快適ですが、適応できる症例には限りがあります。そして、審美性を究極まで求める方に選ばれるのが「裏側(舌側)矯正」です。装置を歯の裏側につけるため、外からは全く見えません。しかし、下の歯の裏側矯正には特有の注意点があります。それは「舌への違和感」です。下の歯の裏側は、舌が常に触れる場所。装置が舌に当たって話しにくさを感じたり、口内炎ができやすかったりすることがあります。もちろん、ほとんどの方は数週間から1ヶ月程度で慣れていきますが、この初期の違和感を乗り越える覚悟は必要かもしれません。どの装置が最適かは、あなたの歯並びの状態、ライフスタイル、そして何を最も重視するかによって決まります。痛みへの不安、見た目へのこだわり、快適性への希望。それらを全て担当の先生に正直に伝え、納得のいく装置を選ぶことが、長い矯正治療をストレスなく乗り切るための第一歩となるでしょう。
下の歯の矯正は痛い?装置選びとリアルな治療の感覚