本日は、矯正歯科専門医のD先生に、多くの患者さんが悩む「歯列矯正中のカレー問題」について、専門家の視点から詳しくお話を伺います。先生、やはり矯正中にカレーを食べるのは避けるべきなのでしょうか。「はい、結論から言えば、特に審美ブラケットや透明なゴムを使用している場合は、避けていただくのがベストです。カレーに含まれるターメリックの色素は本当に強力で、ゴム製品をあっという間に染めてしまいます。患者様ががっかりされる姿を何度も見てきましたので、私たちもカウンセリングの段階で必ず注意喚起をしています」。実際に、患者さんからカレーに関する相談を受けることは多いですか。「非常に多いですね。『うっかり食べてしまったのですが、どうすればいいですか』という緊急連絡から、『調整日の前なら食べてもいいと聞いたのですが、本当ですか』という質問まで様々です。後者の質問に対しては、私たちは『自己責任の範囲ですが、どうしても食べたいならそのタイミングが最もダメージは少ないでしょう』とお答えすることが多いです。ただし、ゴムは交換できても、歯に直接ついている接着剤の縁などが着色するリスクはゼロではない、という点は付け加えるようにしています」。マウスピース矯正の場合はどうでしょうか。「食事の際に外すので基本的には問題ありませんが、油断は禁物です。食後の歯磨きをせずにアライナーを戻してしまう方が時々いらっしゃいますが、これは最悪のパターンです。着色だけでなく、虫歯のリスクを飛躍的に高めます。アライナーをしたまま色の濃い飲み物を飲むのも厳禁ですね。アライナーそのものが黄土色に染まってしまい、交換日までみすぼらしい見た目になってしまいます」。最後に、カレーを我慢している患者さんへメッセージをお願いします。「長い矯正期間中、好きなものを我慢するのは本当にお辛いことだと思います。しかし、その我慢の先には、美しく整った歯並びと、何でも気にせず食べられるという最高の自由が待っています。カレーはそのゴールを達成した時の『ご褒美』にとっておく、と考えていただくのが、モチベーションを維持する一番のコツかもしれません。ゴールの日を想像しながら、あともう少しだけ、頑張っていただきたいですね」。