歯列矯正には、ブラケットとワイヤーを使う「ワイヤー矯正」と、透明なマウスピースを交換していく「マウスピース矯正(インビザラインなど)」があり、それぞれカレーとの付き合い方も大きく異なります。ご自身の治療法に合わせた対策を知ることが、失敗を避ける鍵となります。まず、ワイヤー矯正の場合。ここでの最大の敵は、ブラケットに装着された「モジュール」や「パワーチェーン」といったゴム製品です。これらがカレーのターメリック色素を吸着し、鮮やかな黄色に染まってしまいます。特に、目立ちにくい透明や白色のセラミックブラケットを選んでいる場合、ゴムの黄ばみは非常に目立ち、審美性を著しく損ないます。対策としては、前述の通り「調整日の直前に食べる」のが最も現実的です。また、どうしてもカレーを食べる予定がある場合は、事前に歯科医師に相談し、比較的着色しにくいとされるシルバーのゴムに変えてもらう、という選択肢もクリニックによっては可能です。一方、マウスピース矯正の場合、食事の際には必ず装置(アライナー)を外すのが基本ルールです。したがって、アライナーを外してカレーを食べる分には、何の問題もありません。これがマウスピース矯正の大きなメリットの一つです。しかし、ここに落とし穴があります。それは、食後のケアを怠った場合です。カレーを食べた後、歯磨きが不十分なままアライナーを装着してしまうと、歯とアライナーの間に残ったカレーの色素が閉じ込められ、密閉された空間で長時間歯に接触し続けることになります。これは、歯そのものが着色してしまうリスクを高めるだけでなく、虫歯の原因にもなりかねません。さらに、面倒だからとアライナーを装着したままカレー風味のスープなどを飲んでしまうと、アライナー自体が取り返しのつかないほど黄色く染まってしまいます。アライナーは一度染まると交換日までその色と付き合うことになり、見た目も非常に悪くなります。ワイヤー矯正は「食べるタイミング」、マウスピース矯正は「食後のケアと装着ルール」。それぞれの特性を正しく理解し、適切な対策を講じることが重要です。
ワイヤーとマウスピース矯正別カレーとの正しい付き合い方